デフ・パペットシアター・ひとみ(ろう者と聴者が共につくる人形劇団) |
「だいじょうぶ だいじょうぶ?」

STAFF
原作:いとうひろし作・絵「だいじょうぶ だいじょうぶ」(講談社刊)
構成/演出:石川哲次
美術:太田拓美
音楽:やなせけいこ
舞台監督:榎本トオル
手話指導:庄崎隆志
「だいじょうぶ だいじょうぶ?」は、
「だいじょうぶ だいじょうぶ」という手話(ことば)をテーマに
ふたつのおはなしを組み合わせたオムニバスです。
一つめのおはなしは、雪の降る森でのエピソード。
二つめのおはなしは、いとうひろしさんの描いた絵本を原作とした物語です。
ほかにも、エピソードがいくつかありますが、
すべて「だいじょうぶ だいじょうぶ」ということばに
結びついていきます。

一つめのおはなし
ある冬の森でのおはなし。
サルが森じゅうを走り回っていると、寒さのなかで力尽きて眠っている旅人を発見します。
サルは旅人を助けようとしますが、自分だけでは何もできません。助けを呼ぼうとしても、
みんな冬眠をしています。そこでとにかく近くに住んでいるカエルの家にいきますが・・・。
さあ、冬の森で倒れた人間は「だいじょうぶ」になるのでしょうか「?」

二つめのおはなし
少年は、毎日のようにおじいちゃんとお散歩を楽しんでいました。
二人のお散歩は家の近くをのんびりと歩くだけのものでしたが、おじいちゃんと一緒にいるだけで少年の周りは魔法にでもかかったみたいに広がっていきました。
でも新しい発見や楽しい出会いが増えるにつれて、困ったことや恐ろしいことも増えていきました。
そんなときおじいちゃんはいつも、不安な気持ちでいっぱいの少年の手を握りつぶやくのでした。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」。
<演出家のあいさつ>
いとうひろしさんの書いた絵本「だいじょうぶ だいじょうぶ」を読んで、心が安らいだり、肩の力が抜けたりするのは、私にかぎったことではないと思います。この絵本にどれだけ多くのファンがついているのかを、人形劇化するにあたって改めて実感しました。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」
絵本のなかで、おじいちゃんが少年に繰り返したこの言葉は、現在起こっている様々な問題や場面で必要とされています。
焦らず、深呼吸をして、自分が立っている場所を確かめて、そのうえで前に進む。そう簡単にできることでもありませんが、そのようにありたいと思っています。
実際には、この世界はちっとも「だいじょうぶではありません」。
「だいじょうぶ」と口にした後、しばしば心の中で「?」をつぶやいてしまいます。そんななかで、大人としての責任を持ちながら「だいじょうぶ だいじょうぶ」と口にすることは、優しさというよりも強さを要求される行為でもあります。
現実と完全に離れた絵空事にならないよう、「だいじょうぶ だいじょうぶ」の後に自然とついてきてしまう「?」をあえてタイトルに加えて、ひとつの人形劇を創りました。
「だいじょうぶ だいじょうぶ?」
この人形劇が、観てくれた方の深いところに届いて、色々なことを感じてくれたらと願っています。
石川哲次
